北関東の真ん中に位置する栃木県は、都心からアクセスのよい自然豊かな観光地。古くから避暑地として親しまれている那須高原や歴史的な史跡が多く残る日光、焼物の街として有名な益子町、そして関東屈指の温泉地など、何度訪れても飽き足りない魅力たっぷりの人気スポットがあちこちに点在します。そうなると、行く先々で買いたいお土産に遭遇し、選ぶのに迷ってしまうことも。そんな方に向けて、おみナビ編集部が栃木の魅力あふれるお土産を集めました。幅広くピックアップした栃木ならではのお土産10選をご紹介します。
栃木県のお土産、なにがあるの?
お土産選びは旅の楽しみのひとつ。栃木のおすすめ商品をご紹介する前に、まずは栃木土産の魅力に迫ってみましょう。
定番のお土産
栃木に行ったらお土産としてよく買われるのが宇都宮餃子。県庁所在地の宇都宮市には餃子を扱う店が200軒以上もあり、「餃子のまち」として有名ですが、そもそもなぜ宇都宮でこれほど餃子が有名になったのか、ご存じですか。
きっかけは、第2次世界大戦後、満州に派遣されていた陸軍第十四師団が引き揚げた際、本場の餃子を広めたこと、といわれています。餃子の材料であるニラや白菜、豚肉や小麦粉の生産地である栃木ですから、手軽に作りやすかったことも影響していますね。
宇都宮では、こういった経緯で当たり前のように餃子がよく食べられていましたが、全国的に「餃子のまち」として広まったのは、1990年の町おこしがあってから。宇都宮市の餃子購入額が日本一と知った当時の市の職員が、餃子で町おこしをしよう、と一念発起したのです。1993年には市内の餃子専門店などからなる任意団体「宇都宮餃子会」が発足。はじめて開催した餃子祭り「ギョー!THEフェスティバル」はマスコミに取り上げられて、いよいよ「餃子のまち宇都宮」としての第一歩を踏み出したのでした。
全国に「宇都宮餃子」が知れ渡るきっかけとなったのは、山田邦子さんが司会をしていたバラエティテレビ番組「おまかせ!山田商会」に出演したこと。宇都宮市長の名前で山田邦子さん宛に書いた手紙が取り上げられ、宇都宮餃子会が番組に出演。これを機に宇都宮は「餃子のまち」として知られるようになり、全国から餃子を求めて宇都宮を訪れるひとが急激に増え、駅前には「餃子像」まで建てられたのでした。
そんな宇都宮餃子の大きな特徴は、弾力のある皮と野菜がたっぷりの餡。ひき肉も入っているのですが、野菜の旨味がじゅわっと広がるところが宇都宮餃子の人気のヒミツ。宇都宮駅ビル「パセオ」内にはいろんな餃子専門店が揃っているので、味比べをしてお気に入りの宇都宮餃子を見つけることもできますよ。
餃子宇都宮みんみん

栃木の美味しい名産品
栃木といえば、全国的にも最もポピュラーなイチゴ「とちおとめ」。甘味と酸味のバランスがよく、ジューシーで濃厚な味わいが特徴です。ただし旬は冬から春の時期と限られることから、シーズンオフでも楽しんでもらいたい、というイチゴ農家さんの想いがカタチとなって、「恋するいちご」と「ドライトチオトメ」が誕生しました。いずれも栃木県産とちおとめを100%使用し、その美味しさを余すことなく味わってもらえるよう、最新技術を使って加工された、栃木の新しい名産品です。
「恋するいちご」は、真っ先にイチゴの断面の美しさが目に飛び込んでくる、華やかなお菓子です。とちおとめ特有の甘酸っぱさが引き立つよう、コーティング部分のチョコレートが薄めの仕上がり。サクッとした食感のあと、チョコレートがイチゴの甘酸っぱさに程よく絡み、濃厚なイチゴの風味が口いっぱいに広がります。
「ドライトチオトメ」は独自の製法で水分だけを抜いているので、無添加でありながら鮮やかなイチゴ色と栄養分はそのまま。一年中イチゴそのままの味と風味を味わうことのできる画期的な乾燥イチゴです。ヨーグルトにトッピングしたり、紅茶に入れたり、いろんなスタイルで味わえるのも魅力。どちらもイチゴ色の赤を基調とした可愛らしいパッケージに入っているので、贈りものとしても喜ばれそうな逸品です。
栃木の伝統工芸品
栃木の伝統工芸品といえば、「益子焼」。栃木の豊かな自然と文化が育んだ益子焼は、国の伝統的工芸品でありながらも、暮らしに溶け込む陶器です。
肌になじむ土の温かな質感とぽってりとした飴色の釉薬が特徴の益子焼。もともとは、笠間焼の産地・茨城県笠間で焼物の技術を学んだ大塚啓三郎が、江戸末期に益子町で窯を築いたのがはじまり、といわれています。創業当初から黒羽藩の援助を受けながら、土瓶やすり鉢、壺などの台所用品をつくり、江戸にまで普及するようになりました。明治期に入ると生活様式の変化や過剰生産によって売れ行きが減少していきますが、1924年、陶芸家・濱田庄司が移住したことで益子に大きな転機が訪れます。柳宗悦とともに民芸運動を提唱する濱田は、民衆の日常生活の中に息づく「用の美」を見出し、食卓用の器や花器など、民藝品としての益子焼の制作に取り組みました。そしてどんな職人でも濱田のような益子焼が作れるよう、デザインや仕組みをつくり上げ、今も受け継がれる益子焼の基礎を確立しました。いまでは幅広い世代の陶芸作家が活躍する現代の益子焼。どこかしら温かみや力強さを感じられるのは、どれも濱田のつくり上げた益子焼の原点が内包されているからかもしれません。
益子焼に親しみたい方におすすめの場所は、創業150年以上の歴史を持つ、益子焼最大の窯元「つかもと」。
自然に囲まれた広大な敷地内には、美術記念館やレストランが立ち並び、工房見学や作陶体験も満喫できます。栃木に来たけど益子町まで足が延ばせなかった方は、宇都宮駅にあるパセオの「丹波屋 栃木銘店」を覗いてみてください。常時扱っている益子焼が取り揃っています。
益子伝統釉_飴釉 8寸平皿

栃木のお土産、隠れた逸品
知るひとぞ知る「ココ・ファーム・ワイナリー」は、著名なソムリエたちも認めるワイナリー。
日本で開催されたサミットの晩餐会やJALファーストクラスでも採用されるほど、高品質なワインを造り続けています。1950年代、特殊学級の中学生と先生たちが山の急斜面に葡萄畑を開墾することから始まり、のちに創立された知的障害者「こころみ学園」の保護者達も協力して、「ココ・ファーム・ワイナリー」は設立されました。急斜面で大型車両が入れないがゆえに土はやわらかく、除草剤も一切撒かれていない土壌。そのため農作業は人間の手でこつこつとやるのが当たり前。その環境から園生たちは働く歓びを知ることができ、同時に上質なワイン造りを支える基盤にもなりました。その後「障害を持った者であっても、本物のワイン造りを目指さなければならない」という信念を持つ学園は、醸造コンサルタントのブルース・ガットラヴさんを招きます。ブルースさんは、園生たちと言語を超えたコミュニケーションを交わしていくうちに自然と信頼関係が深まり、当初3か月の滞在予定はどんどん延長され、とうとう日本へ移住することに。彼が醸造家としてもっとも力を入れたのは、野生酵母のみでワインを造ること。当時の日本では型破りだったこのワイン造りが周りに認められるまで長い月日がかかりましたが、今ではその製法がココ・ファーム・ワイナリーの最大の特徴です。
こうして造られたココ・ファームの個性あふれるワインは、豊かなバラエティに富んでいるので、どのワインを買うかは現地でテイスティングして選ぶのがベスト。公式ホームページでは、ワインの詳細について、またユニークな名前も紹介されているので、気になる方はぜひ事前にチェックを。
ワイナリーまで足を延ばせない方も、宇都宮駅パセオや東武宇都宮百貨店などでもココ・ファームのワインやジュースが購入できます。
おすすめ10選
御用邸チーズケーキ

百年ライスカレービーフ

日光甚五郎煎餅

餃子宇都宮みんみん

ドライトチオトメ

こげパンだ

鹿沼こんにゃく

益子伝統釉_飴釉 8寸平皿

恋するいちご

佐野生ラーメン

・栃木県のお土産、どこで買うべき!?
宇都宮駅を利用するひとは、駅ビル「パセオ」がおすすめ。2Fのグランマルシェは、「チーズガーデン」、「下野菓子処 うさぎや」、「日光甚五郎煎餅」などの有名どころはもちろん、話題のお土産も多数取り揃えているので、出発間際までじっくり選ぶことができます。特に同じフロアに構える「とちびより」や「丹波屋 栃木銘店」は、栃木が誇る特産品や伝統工芸品などがずらっと並んでおり、ここでしか手に入らない限定品などもあります。
また「来らっせパセオ店」なら、宇都宮餃子会に加盟する30店舗以上の冷凍生餃子をはじめ、餃子関連グッズが購入できます。全国発送もしているので、荷物が多くなっても安心ですね。
車で栃木を旅するひとは、高速サービスエリアや道の駅も便利ですね。那須のお土産が大集合している那須高原サービスエリアは、那須の人気店とコラボした限定のお土産が販売されているので、休憩がてら立ち寄ってみてはいかがですか。
道の駅しもつけは、栃木でいちばん大規模な道の駅。栃木県内の多種多様なお土産が揃っており、イベントなどもよく開催されるので、時間があればぜひ立ち寄りたい場所です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。人気観光スポット、那須塩原や日光がある栃木県。それぞれの地域で美味しいものや伝統の逸品が様々あり、もちろん今回紹介しきれなかった魅力的なお土産もまだまだあります。定番をせめるなら宇都宮餃子や御用邸チーズケーキがやっぱり強いです。自家用や親しい人へのお土産ならば、風合いのある益子焼は色あせることない逸品としておすすめですよ。